全部の時間がヘビメタ騒音でつぶされているのだから、言いようがない気持ちになる。
もちろん、ほかの人にとってはどうでもいいことだ。俺の身の上にしょうじたことだから……。
しかし、小学六年生のときから、あの頻度で、あの時間の長さ、ずっと、「この世で一番きらいな音」を爆音で聞かされるようになるとは……。そりゃ、影響、あるよ。
いま、買い物に行こうかと思っているのだけど、買い物に行くときの雰囲気が、並じゃないのである。破滅破綻の雰囲気なのである。
我慢して、それでも、前向きに?暮らしていたときの、雰囲気が、並じゃないのである。
みんな、ほんとうに、わかっていない。
ちょっと前向きになろうと思って、前向きになれるような状態じゃないんだよ。前向きになろうとすると、ものすごい、抵抗がある。もう、発狂的な高圧状態になってしまうのである。
わかるかな?
わからないか。
ほんとうに、きちがいヘビメタ騒音のことを、『軽く』考えている人が多い。この人たちも、ぼくのことを苦しめてきた。けど、この人たちがぼくを苦しめることというのは、きちがい兄貴がきちがいヘビメタにこだわってこだわってこだわって、こだわりの音で、ガンガン鳴らさなかったら、発生しなかったことなんだよ。
だから、ほかの人から見れば、透明なんだよね。
ヘビメタ騒音の実害なんて、ぼくが感じているだけなのだから、ほかの人にとって見れば、透明だ。
「どんなに、くるしくても、楽しいと言えば楽しくなる」と言えるような『軽い』ものなのだ。「前向きな発言をすれば、いいことがある」と言えることなのだ。
これは、普通の状態なら、そうなのかもしれないけど、ちがうんだよ。どれだけ、ヘビメタ騒音で吹き飛ばされているか……みんな……そういうことを言う人は……みんな……わかっていない。
その人たちが想像する「くるしい状態」とはぜんぜんちがうのである。
けっきょく、こいつらは、自分がこの世で、一番きらいな音を、至近距離で、爆音で、浴び続けたことがない。
生活が全部、その騒音に侵されてしまう状態というのを経験したことがない。
これ、ほんとうは、ものすごいことなんだぞ。
もちろん、普通の人にはわからないけど……。
ともかく、ヘビメタ騒音から発生した、破滅感は、「楽しい楽しい」と言えば、払しょくできるようなものではないのである。
ほんとうに、まるでわかっていない。
どや顔でアホなことを言いやがって……。