言霊主義者は、どうして、ビルの屋上から、飛び降りないのか?
言霊主義者は、「飛べる」と言えば「飛べる」と思っているのである。力説するのだから、そう思っているのである。なら、飛べるはずだ。
ところが、自殺するつもりがない言霊主義者は、「飛ぶ」と言って「飛ぼう」としない。
「飛ぶ」と言ったって、落ちるに決まっているから、飛ぶと言って、ビルの屋上から、飛び降りるということをしないのだ。
もし、ほんとうに「言えば、言ったことが現実化する」のであれば、「飛ぶ」と言えばすむ話なのである。
あるいは、「浮く」と言えば、浮くのである。
「自分は宙に浮く」と言えば、宙に浮くのである。どうして、自分の現実的なことについては「言霊なんて、嘘だ」「言霊の法則なんて成り立ってない」と思っているのか?
ここから飛び降りたら、死ぬと思っているから、飛び降りないのだ。
「飛べる」「飛ぶ」「浮ける」「浮く」と言ったって、落ちると思っているのである。ようするに、言霊なんて、ぜんぜん信じていないのである。
言うことで、現実をかえられるとは思っていないのである。
ところが、「言うことで、現実をかえられるとはおもっいない」ということに、無頓着なのだ。ぜんぜん、認識しない。自分のことなのに、まったく、認識しない。
一方では「言霊は絶対だ」「言ったことが現実化する」と思っていながら、もう一方では「言ったって、現実化するわけがない」と思っているのである。
「浮くと言ったって、落ちる」と思っているから、言霊主義者は、飛び降りないのである。「言ったって、落ちる」と思っているということを、ちょっとは、自覚したほうがいいよ。
言霊主義者が日常のなかで、言霊思考をするのは、じつは、かぎられた場面でしかない。言霊主義者は、ほぼ一〇〇%の思考で、現実思考をしているのである。
ようするに、「言えば、言ったことが現実化するなんて、嘘」と思って生活しているのである。「言っただけで、現実化するわけがない」「言ったって、現実化するわけがない」と思って、自分の行動を決めているのである。
言霊思考が出てくるのは、他人に説教をしたいときと、本人が夢や希望について語るときだけなのである。あとは、「言霊なんてあるわけがない」「言っただけで、解決するわけがないだろ」と思って暮らしているのである。