外から見た「引き度」で分ける分類表
誰が作ったのかは知らないけど、2ch(2ちゃんねる)には、「■ 引きこもり分類表で知る貴方のヒキ度 再改訂版 ■」というものがある。この■ 引きこもり分類表で知る貴方のヒキ度 再改訂版 ■というのは、引きこもり関係の掲示板やダメ無職関係の掲示板に引用されることが多い。
この引きこもり分類は、割と細かい。自分はKランクということになってしまう。この分類は、出られるかどうかということに、注意が向けられたもので、原因には注意が向けられていない。たとえば、大うつ病で出るのが困難なのか、睡眠障害で決まった時間に外にでるのがこんなのか、ということは、問題になっていない。外側からみえる、引きこもりの度合いを表したものなのだ。
-----------引用開始
■ 引きこもり分類表で知る貴方のヒキ度 再改訂版 ■
SSランク:寝床とその周辺だけが自分の世界の全て
Sランク:一切部屋から出られない 尿も部屋の中に溜める
Aランク:トイレ以外部屋から出てこない
Bランク:食事や風呂のために部屋を出ることがある
Cランク:家族がいない時のみ家の中を自由に動き回る
Dランク:家の中を自由に動き回ることができる
――――↑真性ひき↓半ヒキを隔てる時空の壁――――
Eランク:人のいない近所の場所なら外出することができる
Fランク:人の少ない近所の場所なら外出することができる
Gランク:人の少ない家から離れた場所まで外出することができる
Hランク:苦痛を感じない場所なら外出することができる
Iランク:外出自体は苦痛ではないが人が多い場所へは行けない
――――↑半ヒキ↓偽ヒキを隔てる時空の壁――――
Jランク:趣味や遊びのためなら人が多い場所へも外出できる
Kランク:学校や職場へは行けないが比較的自由に外出できる
Lランク:通学や通勤はできるが他人と接するのを苦痛に感じる
Mランク:他人と関わりを持つことに疲れを感じる
Nランク:ある程度の社交性と処世術を持って平凡に生活している
――――↑偽ヒキ&一般人↓リア充を隔てる時空の壁――――
Oランク:高い社交性とリーダーシップを持ち活動的である
Pランク:周囲から頼られる存在または高度な社会的地位を有する
Qランク:周囲から尊敬されるリーダー、ヒーローと呼ばれる存在
-----------引用終了
この分類をもうちょっとおおまかなものにしてみると、こんな感じになる。
01:寝床から、外に出られない
02:部屋から、外に出られない
03:家から、外に出られない
――――↑真性ひき↓半ヒキを隔てる時空の壁――――
04:人の少ない場所なら外に出ることができる
05:人の多い場所でも外に出ることができる
――――↑半ヒキ↓偽ヒキを隔てる時空の壁――――
06:通学や通勤ができる
通学通勤ができるなら、もう引きこもりじゃないと思います。リーダーとかヒーローとかそういうことは、引きこもり度合いの尺度には関係がないと思うので、引きこもり分類表からはずします。
で、ここで大切なのは、実は05と06の間の隔たりなのです。
05:人の多い場所でも外に出ることができる
――――↑半ヒキ↓偽ヒキを隔てる時空の壁――――
06:通学や通勤ができる
どうでもいい時間に、外出できるということと、毎日同じ時間に起きて、毎日通うということの差は、でかすぎる。
これがたとえば、友だちと会うというようなことですら、時間が決まっていることに関しては、無理だ。その時起きていて、相手も起きていて、それで、突発的に、「会おう」というのであれば、会える。しかし、これは、相手が社会人の場合、なかなかそういうわけにはいかなくなる。相手が社会人であった場合、普通は、会う日時を事前に決めて会うはずだ。というわけで、ただでも少ない交友がなくなる。(相手には、仕事や家族があるので、会いにくくなる)。
まあ、自由に外出できると言っても、気分的にダメなときは、まったくダメだ。ランクJにも満たない。ヘビメタ騒音にやられていた頃の、朝の雰囲気になってしまう。ランクIの、人が多いかどうかということには関係がない。2ちゃん引きこもり分類法だと、人が多いかどうかということが、一つの指標になっているのだけど、自分の場合、人が多いかどうかは、関係がない。
たとえば、いつでも図書館に行けるとして、図書館に行ける時間帯に起きているとして、図書館に行かなければならない用事があるとして、図書館に行けるかというと、行けない時がだいぶある。二週間以内に本を返さなければならないという場合、けっこう、返却期間ギリギリになることがある。図書館に関しては、絶対に!期間以内に返そうと思っているので、返却期間を越えたことは、ここ一〇年で一度もない。しかし、これは、相当にがんばって、二週間に一回、返却のために行くということになる。毎日ではなくて、二週間に一回。二週間に一回でも、ものすごく、大変な思いをすることがある。いざ、外に出るとなると、きちがいヘビメタ騒音にやられていたころの、気分が復活してしまうのだ。自転車で図書館に行っているのだけど、自転車を漕いでいるときの、きちがい的な憂鬱が復活してしまうのだ。だから、最初から、本を借りないようにするという期間が一年のうちで、だいぶある。冬と夏は、期間内に返却することができない可能性が高くなるので、本を借りないようにしている。
つまり、人が多いかどうかというよりも、気分という、尺度が必要になる。会社に行きたくないサラリーマンが、月曜日の朝、憂鬱になるというのがある。いわゆる「サザエさん症候群」だ。僕の言い方だと、「行きたくない病」だ。朝、行きたくないという気持ちが強くて憂鬱になる。まあ、身体的に、寝たきりであれば、そもそも、会社に通っていないだろうから、フィジカルな部分では、会社に通える体力があるとみなされる。しかし、疲労が蓄積しているのかもしれない。「もう、限界」なのかもしれない。
ヘビメタ騒音の朝の気分というのは、このサラリーマンの月曜日鬱を、一〇〇〇倍にしたような、しんどさなのだ。だから、こういう状態だと、一気に、ランクSSに戻ってしまう。前日のヘビメタ騒音の影響で眠れないまま、午前四時ぐらいになってしまうというような毎日だった。「もう限界の朝」を何回更新してきたかわからない。限界を更新できたから、良いというものではない。七年間、毎日、限界を更新してきたので、もう、一切合切通えない状態になった。
ともかく、自分にとって、突出して重要なのは、睡眠障害と気分、だ。睡眠障害を含んだ尺度と気分を取り入れた尺度のようなものが必要になるかもしれない。分類表をいくつ作っても、それが役に立たなければしかたがないのだけど。
引きこもり対策を考える場合、いろいろな位相がごっちゃごっちゃになっている