だまされてつらい思いをする人がひとりでも減るようにするために、二項目うんぬんとか生まれの格差うんぬんということを書いている。すでに、カネをもっている人が書いた、カネを儲ける方法というのが、ほんとうにはカネを儲ける方法ではないということが、「しあわせになる方法」にも成り立っているんだよね。
生まれの格差を無視して、それぞれの条件を無視している。あったってないことになっている。そういう前提で、二項目的な文にまとめられることを書くのは、じつは、悪魔的な行為だ。
これ、役に立たない情報商材とおなじなのである。
これ、善意で行われているのだけど、悪魔の構造を維持している。悪魔の構造を維持することに寄与している。
生まれの格差「上」の人が、意図的に、生まれの格差「下」の人をだましているとは、言わない。意図的ではないのだ。
すくなくても、本人は、善意でやっている。これが問題なんだよな。いや、これも、問題なんだよな。一番の問題は、すでにしあわせな人が提唱している「〇〇をすればしあわせになる」という方法が「うその情報」だということだ。カス情報と言ってもいい。
情報商材に書いてある、「おカネを儲ける方法」とおなじように、役に立たない情報なのだ。で、そういうふうになってしまうのには、理由がある。けど、書いている人も、読んでいる人も、その理由には目もむけない。
こういう、不幸な構造がある。
じつは、読んでいるほうも、『条件』を無視したいのだ。ほんとうは、自分の生活を縛り付けている『条件』を無視したい。
条件を無視して、「一時的に」しあわせになりたいのだ。
これは、自己啓発セミナーとおなじ問題を含んでいる。条件を無視しているから、一時的に「しあわせになれるような感じ」がしているだけだ。自己啓発セミナー会場から帰ってくるときは、なんでもできるような気分になっているけど、次の日は、満員電車で通勤している自分というものについて、考えたほうがいい。
自己啓発セミナーに行っている人は……考えたほうがいい。
なぜ、自分はいやな会社に通勤しているのか?
どうして、自分は乗りたくもない満員電車に乗っているのか?
なぜだ?? なぜだ??
どうしてだ?? どうしてだ??
……条件がちがうからだよ。