ひし形なのか、ピラミッド型なのかという問題についてちょっとだけ、語っておくかな? これは、どういうことかというと「ピラミッド型ではなくてひし形なのではないか」と言っている人たちは、底辺の人数を問題にしているのだ。ピラミッド型だと、底辺の人数が多いように思えるけど、実際には、ひし形で、底辺の人数は下に行くほど少なくなるのではないかと言っているのだ。ようするに、能力がない人は、じつは少ないのではないかと言っているのである。けど、実際には、ピラミッド型のイラストが示すように、底辺の人が多いような印象を与えると言っているのだ。これは、能力がないとか、能力の度合いがそのまま、底辺人口になっているはずだという誤解のもとに成り立っている。能力の度合いということを言えば、ノーマルカーブを描くようになるのだ。その場合、「ひし形」になる。上辺・中・底辺というわかけたをするのであれば、中がボリュームゾーンになる。ようするに、普通人のなかに入る人が一番多くなる。上辺は少数、底辺も少数、中が多数。なので、底辺は少数派で、底辺を多く見せかけるようなピラミッド型のイラストはおかしいという考え方なのだ。けど、これはまちがっている。ノーマルカーブを描くのは、能力で、底辺かどうかは貯蓄と収入の問題だ。ぜんぜんちがう。能力というのは、くわしくと言うと、能力の分布のことだ。能力の分布は、ノーマルカーブになるので、中(普通)が多くなる。「中辺」という言い方がないか、一般的ではないので、「中」と書いておいた。社会構造としては、ピラミッド型なのである。ようするに、能力分布で、「中」である人が、「底辺」になっている。
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社会構造を表現するのにピラミッドがよく使われるだろう?
あれによると最低?の人間が一番多くなるはずなんだけど
周り?を見てもぼくみたいな最低の人間はほとんどいないじゃないか
そもそも僕が大勢いたら、この世の終わりだよ
(ちょっと文字が読めないので、?をつけてみた)
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会社のピラミッド構造を考えた場合、
社長、部長、課長、係長、一般社員と、人数が増えていく。トップの社長はたいていの場合、ひとりで、底辺(最低)の一般社員が多数なので、ピラミッド構造と人数が合致している印象があるし、実際にそうなのだろう。
資産のピラミッド構造を考えた場合、
トップの超富裕者層が8.7万世帯で、最低のマス層が4.215.7万世帯なので、ピラミッド構造と人数が合致している。
ようするに、マス層のなかに能力が上辺の人間、能力が中間の人間が含まれている。ノーマルカーブを描いた場合の上位側が、マス層に含まれているので、のび太のように誤解してしまう。マス層はこの図のなかで最低だけど、個々人の能力は、最低というわけではない。ようするに、学校の成績みたいなものであらわすと、上の人間が、相当に含まれている。そして、中間層によって、このマス層が構成されている。もちろん、学校の成績で下の人間も含まれている。学校の成績というのが、じつは、ほんとうは価値があるかどうかわからない能力についてはかっているだけなので、もちろん人間の価値とは関係がない。学校の試験ではかれる能力というのは、自分にとって興味がないものでも、記憶できるかどうかということだ。これがメインで、あとは、常識テストということになる。はかりやすいものをはかっているだけなので、人間の全般的な能力をはかっているわけではなくて、人間の一部の能力をはかっているにすぎない。そして、はかりやすい能力が、人間の能力をあらわすかというとそうではない。これは、学問についても言えることだ。歴史的な出来事に関する思考能力が、試験範囲として決まっている範囲の知識テストではかれるかというと、はかれない。しかし、学校ではかれる能力が、まるで、人間の能力をあらわしているように思われているのである。のび太は、人間の能力的なヒエラルキーと社会構造的なヒエラルキーが一致しているはずだという前提に疑問をもっているわけだけど、これは、正しい。しかし、のび太は、人数的なヒエラルキーと社会構造的なヒエラルキーをごっちゃにしているのである。人数的なヒエラルキーを考えるなら、中間層の人数が多いに決まっている。そして、下と上は、それぞれ、人数的には少ないのである。なのであれば、のび太の考察があっていると思うかもしれないけど、それがちがうのだ。「人数」と「階層(構造的なヒエラルキー順序)」をごっちゃにしてはいけないのだ。階層(構造的なヒエラルキー順序)を考えるなら、下の人数が多くなる。しつこく書いておくと、「人数」だとそうなる。階層(構造的なヒエラルキー順序)のなかで、最低のなかに、能力的には「上」「中」「下」が含まれているのである。そして、人数的にボリュームがある「中」がもっとも多く含まれている。なので、のび太は、この点において誤解をしている。
会社内でのヒエラルキー(ピラミッド)