きちがい兄貴の「ヘビメタの問題」はほんとうは、でかいでかい、深刻な問題なのだけど、「よそのひと」には、でかいでかい、深刻な問題には見えないのである。まず、ここに基本的な問題がある。九九・九九%の人にとって、ぼくの「ヘビメタ騒音問題」は、でかいでかい、深刻な問題には見えないのである。
だから、「どれだけ鳴ってたって、宿題ぐらいできる」「どれだけ鳴っていたって、通学ぐらいできる」「どれだけ鳴っていたって、通勤して働くことができる」ということになってしまう。やらないのだとしたら、エイリがさぼってやっていないだけなのだ」ということになってしまう。自分なら、「どれだけ鳴っていたって、そのくらいはできる」という信念があるのである。もちろん、これは、間違っている。実験はできないけど、こいつらだって、きちがい兄貴のような家族が横の部屋に住んでいて、自分が、「この世で一番嫌いな音」をずっと、ものすごい音で、鳴らしたら、宿題もできなくなるし、通学もできなくなるし、通勤して働くことも、できなくなる。そして、通勤して働くことができなくなる状態になるまで、七年間毎日、(通学することが決まっている日は)通学したとしよう。日曜や祭日、夏休み、冬休み、春休みは、通学しなくてもいいことになっているけど、日曜や祭日、夏休み、冬休み、春休みは、きちがい兄貴が、一日中、家にいることになり、一日のヘビメタ騒音が、のびてしまうのである。一日に一三時間以上、きちがいヘビメタ騒音にさらされることになるのである。だから、休みが休みではなくて、「症状」が悪化してしまう。きちがいヘビメタの影響で、体に症状が出るわけだけど、その症状が、休みの間になおるのではなくて、悪化してしまう。しかし、やられていないやつらは、このことも無視する。そもそも、平日は、どれだけヘビメタ騒音が鳴ってたって、「宿題ぐらいできる」「ちゃんと眠ることができる」ということになっているのだ。こいつらの頭のなかでは……。だから、それを前提に、ものを考えるのである。