俺の文章は、人を選ぶ。頭がいい人しか、価値がわからない。
ドストエフスキーについても、小室直樹についても、頭が悪い人は、俺が言ってることがわからない。
価値がわからないというのは、罪だ。
ヘビメタがなければ、俺がドストエフスキーについて書いたことも、小室直樹氏の言ったことについて書いたことも、藤子不二雄のある漫画と超自我の関係についても、ちょちょっと論文に仕立てて、発表することができたのに……。
修士号や博士号を持っている人でも、バカな人がいる。あいつら、俺が学士じゃないと思うと、態度を変える。あとは、『機械の中の幽霊』を売ったときは、みじめだったな。これも、やっぱり、博士課程にいる人が、「どういう人なんですか」といろいろと聞いてきたんだよな。ぼくがものすごくいい人だからね……。ほんとう、適切な値段で売ってあげたんだよ。しかも、早く届くように、その人に郵便局まで行って、発送してあげた。「ほかのやつら、あしもとを見やがって。こんな親切な人にあえるなんて、マーケットプレイスはいいところだな」みたいな感想を送ってきてくれた。けど、「どういう人なんですか」と聞かれると、やばい。ヘビメタ騒音でやばい……。俺がどれだけ……。俺がどれだけ……。
あっ、機械の中の幽霊を俺から買った人は、バカな人じゃなくて、いい人ね。頭もいい人。ただ、その質問をあの文脈でされると、こまるんだよな。こまるんだよ。きちがい兄貴にやらなければ、いろいろと、話せたのになぁ。