まあ、生きていて、楽しいこともあった。あったんだけど、どうしても、どうしても、つらいことのほうが、記憶に残っているのである。腹がたつ記憶が、鮮明なのである。
楽しいことはあったよ。けど、それは、だいたい中学生ぐらいまでのことなんだよね。ヘビメタ騒音四年目以降は、もうだめだ。
「あの子」にあったのは、ヘビメタ騒音九年目だから、やはり、よごれている。
みんな、わかってないけど、すでに、九年間汚染された状態なんだよ。すでに、九年間毎日、ヘビメタ騒音にからだを汚染された状態なんだよ。一日、二四時間中、二四時間、毎日、汚染された状態なんだよ。
前の日鳴っていた……。うちをでるまえにずっと鳴っていた……。こんな状態で、正常な気持を維持できるわけがない。どうしたって、汚染された気持ちででていくことになるんだよ。うちをでることになるんだよ。うちをでるのだから、いいじゃないか」「騒音から離れるのだからいいじゃないか」こんなのは、やられてない人間の発想だ。ぜんぜんちがうんだよ。