「明るいことを考えれば明るいことが起こる」と信じていた人がいたとする

 たとえば、「明るいことを考えれば明るいことが起こる」と信じていた人がいたとする。この人が、気がつかずに、のちに汚染魚と呼ばれることになる魚を食べて、水俣病になったとする。この場合、「明るいことを考えていたのに、暗いことが起こった」のである。すでに、暗いことが起こっている。すでに暗いことが起こったあとだ。そして、水俣病になった人が「ある企業が汚染水をたれながしたので、自分が水俣病になった」「水俣病でくるしい」「水俣病で、働けなくなった」と言えば、自己責任論者が「そんなのは、自己責任だ」と言い、言霊主義者が「くるしいと言うから、くるしくなる」と言い、明るい思霊論者が「明るいことを考えれば明るいことが起こる」と言うのだ。明るい思霊主義者というのは「明るいことを考えれば明るいことが起こる」と信じている人のことだとする。省略したけど、明るい思霊主義者は、思霊主義者なので「暗いことを考えると、暗いことが起こる」と付け足すのである。ようするに、水俣病になった人は、暗いことを考えていたから、水俣病になったという認識をしているのである。けど、この認識はまちがっている。だいたい、水俣病というのは、あとでつけられた名称だ。のちに汚染魚と呼ばれることになる魚を食べている時点では、水俣病なんていう病気はない。ただ、水銀中毒自体は、名称とは関係なく、からだと水銀の相互作用として成り立っていたし、成り立っているものだ。からだと物質の相互作用として、成り立っているものだ。ともかく、言いたいことは、明るいことを考えていても、暗いことが発生する場合があるということだ。明るいことを考えいたのに、暗いことが発生する場合があるということは、「明るいことを考えれば、明るいことが起こり、暗いことを考えれば暗いことが起こる」という文がまちがっているということを意味する。