言霊主義者が、悪質なのは、「言い方が悪かった」ということを言いだすことだ。これは、もう、決まっているのである。たとえば、条件によって、悪いことがしょうじたとする。その悪いことは、条件がもたらしたことだ。ところが、言っただけで、条件をかえられると言霊主義者は言うのだ。あるいは、言っただけで、結果をかえられるということを言霊主義者は言うのだ。結果というのは、条件がもたらす結果のことだ。その場合、条件が悪ければ「言ったところでかわらない」ということが、最初から、決まっているのである。条件が悪い人が、どれだけ、条件に反したことを言いまくっても、それでは「わからない」ということが、最初から決まっている。だから、対象となる人……言霊主義者にとって他人である人が、言ったところで、条件がもたらす結果というのがわからない。なので、言霊的な解決方法は、効力がない。ところが、言霊主義者は、言霊に宿る、魔法的な力を信じているので、効力がないということを認めないのである。代わりに言うことが「言い方が悪かったから、それが起こらなかった」ということだ。対象となる人の「言い方の問題」にしてしまう。これは、「言ったことが、現実化する」ということを、言霊主義者が、対象となる人に、言う前から、決まっていることだ。だから、悪質なんだよ。対象となる人の条件を無視できるのは、言霊主義者にとって、対象となる人が他人だからだ。別の個体だからだ。
別の個体だから、別の個体がどうなろうと知ったことではなく、限りなく、無責任な発言ができるようになる。ほんとうは魔法的な力なん宿ってないのに、宿っていると言い張り、魔法的な力は、言うことによって発動されると言うのである。ところが、魔法的な力は、存在せず、物理的な法則にしたがって、悪いことやよいことが起こるということになっている。悪いことというのは、その人にとって悪いことということだ。よいことというのは、その人にとってよいことだ。