いやなことしか、思い出さない。人がかかわっている……いやなことしか、思い出さない。楽しいことだって、あったはずなのに、楽しいことは思い出さない。なんか、楽しかったことは、嘘のように思える。女の子のことも、親友のことも、友達のことも、いいことも、いっぱい、いっぱい、あったはずなのに、最後のいやなシーンしか思い出さない。仕事場の人たちのことも、いやなことしか思い出さない。人間関係のトラブルしか、思い出さない。きちがいヘビメタ騒音、以降、くるしい。これ、ほかの人には、まったくわからないことなんだよな。ごく少数の例外である人たちも、けっきょく、自分のことじゃないから、経験的にわかっていることではない。兄貴の態度が、わかっているわけではない。実際に、何時間も何時間も、勉強するべき時間にあびせられると……きちがい騒音を浴びせられると、次の日の日中もめちゃくちゃになるのだけど、それがわからない。どれだけ、切羽詰まった気持ちで、暮らしていたか……。暮らしていたか、ほかの人は、わからない。わかるわけがない。
影響?
でかいよ。
関係?
あるよ。
あの、ヘビメタ騒音の日々が、すべてをこわした。こっちは、きちがいヘビメタ騒音で、うまくいかない日々を抱えて、何年間も何年間も、何十年間も、ずっと生きてきた。これ、わかるわけがない。でっ、ヘビメタ騒音の後遺症を含めて、ぜんぜん治っていないのである。だから、歯医者に行くのだって、ひと苦労だ。いまも、睡眠リズムが壊れているから、予約日までに睡眠時間帯の調整がつくかわからない。でっ、睡眠時間帯の調整がつかないと、めちゃくちゃな状態で行くことになるのである。そして、それがまさしく、前日、きちがいヘビメタを何時間も何時間も浴びせられたあと、次の日、学校に行くときの状態なのだ。
でっ、たとえば、無職(状態)を抱えている状態だと、いろいろと、不都合なことがあるのだ。自己紹介ができない。まともな自己紹介ができない。「やばい部分」を抱えている状態で人と会わなければならなくなる。ヘビメタを……自分がこの世で一番きらいな音を、ずっと、何年間も毎日、十数年間も毎日、鳴らされ続けたら、無職にならざるを得ないのだけど、それが、ほかの人にはわからない。
なんてったって、「関係、ない」「影響、ない」と言うやつばかりだからな。なめられる。「そんなのは、言い訳だ」「そんなのは、あまえだ」と言われる。「自己責任だ」「健康管理をするべきだ」「人間は働くべきだ」と言われる。「だから、ヘビメタ騒音で働けなくなったと言っているだろ」と言ったって、相手は、聞く耳をもたない。大多数の他人なんて、そんなもの。大多数のよその人なんてそんなもの。
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一日目に、一五(じゅうご)年と一日目の疲労があるわけではないんだよ。累積した疲労は、問題だ。もちろん、抱えている本人にとって、問題だということだ。「健康管理をしっかりしないやつが悪い」と言われたって、できないものはしかたがない。あんな状態で、健康管理なんてできるわけがないだろ。「元気だ元気だと言えば元気になる」と言われたって、できないものは、しかたがない。「元気だ元気だ」と言ったって、元気にならないのである。累積疲労をガン無視するやつが「言えば言ったことが現実化する」「言い方が悪いんだ」「現実化するまで、何回でも言えばいい」と言う。そして、俺がきちがいヘビメタ騒音のことについて言えば、「俺だって困難があった」「俺だって疲れている」「みんなつかれている」と言う。ところが、その人や、その人の言う「みんな」には、きちがい兄貴のようなきちがい家族がいないのである。きちがい家族と一緒に住んだことなんてないのである。きちがい家族が、きちがい的な感覚で鳴らしてしまう、「よそではありえない騒音」を毎日経験して、暮らしたことがないのである。ないのである。ないのである。