「Xをすれば幸福になる」というライフハックについて考えてみよう。
ゼットさんは、悪い家族によって不幸なのである。悪い家族が、ゼットさんがこまることを、やるから、不幸な出来事が発生してしまうのである。
単位時間内に、悪い家族が迷惑行為を……普通の家族がやるのよりも、もっともっともっともっと……頻繁にやった場合、ゼットさんが感じる不幸感が増すのである。
ところが、「Xをすれば幸福になる」ということを言った場合、幸福になるかどうかの原因は、Xだということを言っていることになる。
すでに不幸な人は、Xをしないから、不幸なのだということになってしまうのである。
だから、Xこそが原因であるという決めつけをしてしまうのである。
ところが、ゼットさんは、悪い家族の行為によって不幸なのである。原因は、悪い家族の行為なのである。原因は、ゼットさんがXをしないからではないのである。
たとえば、「人に親切にすれば、幸福になる」というライフハック文について考えてみよう。「人に親切にすれば、幸福になる」というライフハック文を言った人がBさんだとする。
Bさんは、あらゆる人に向かって、幸福ではない理由は、人に親切にしないからだということを言ったことになる。不幸な人が、幸福ではない理由は、人に親切にしないからなのである。
人に親切にすれば、幸福になるのである。
すでに、不幸な人(幸福ではない人)は、人に親切にしないから、不幸なのだと言っているのとおなじ状態になる。
世の中には、すでに不幸になっている人がいる。その不幸になっている人が、不幸になっている原因というのは、人それぞれにちがう。
ところが、Bさんは、「すでに不幸な人が、不幸なのは、その不幸な人が、人に親切にしないからだ」とは、言っていないのだけど、「人に親切にすれば、幸福になる」と言った時点で「すでに不幸な人が、不幸なのは、その不幸な人が、人に親切にしないからだ」と言っているのとおなじことになってしまうのである。
しかし、Bさんは、不幸な人を幸福にしてあげようと思って、 「人に親切にすれば、幸福になる」と言っているわけ。
自分が、「原因のきめつけ」をしているとは思っていないわけ。
不幸な人のなかには、「その原因の決めつけ」によって、不愉快な気持ちになる人もいるのだけど、Bさんは、自分の発言で「不愉快な気持ちになる人がいる」ということが、……たぶん……まったくわかっていない。
「いい助言をしている」とBさんは思っているわけだし、「いい助言をすることは、いいことだ」とBさんは思っているわけ。
自分の行為が、そのぶんだけ、社会を明るくすると思っているわけ。
自分の行為によって、少しでも、幸福になる人を増やせればいいと思っているわけ。
それ自体は、善意なんだよ。
しかし、間違った原因を考えだして、一括して、決めつけているということ自体は、かわらない。決めつけられた人のうち、どれだけの人が不愉快だと感じるのかは、わからないけど、不愉快だと感じる人はいる。
そして、優位な人と、劣位な人をわけてしまうと、ライフハックを口にする人が、相対的に優位な人で、ライフハックを聴くほうが相対的に劣位な人なのである。
勝ち組と負け組という言い方で言えば、ライフハックを口にするほうが勝ち組で、ライフはっっくを聴くほうが負け組なわけ。
そりゃ、「不幸な人」はなんとか「幸福になりたい」わけだから、聴く動機がある。そして、相対的に優位なほうは、「自分は、幸福だ」という自意識があり、その自意識の結果、ほかの人に幸福になる方法を教えてあげようと思うわけだ。
相対的に優位なのである。
もしかりに、不幸な人が、「決めつけられて不愉快だ(ニセの原因を持ち出され、ニセの原因によって不幸なのだと決めつけられて不愉快だ)」ということを言ってしまうと、不幸な人がネガティブなことを言ったということになるのである。
「こうすれば、幸福になる」ということを言ったほうは、ポジティブなことを言ったということになる。
不幸な人が、そのポジティブな発言を、すこしでも否定するようなことを言えば、不幸な人がネガティブなことを言ったということになる。
その場合、だれにでもある言霊感覚が刺激され、「ネガティブなことを言うから、ネガティブなことが起こる」と思ってしまう人が出てくる。
ようするに、不幸な人は、踏んだり蹴ったりなのである。
そして、幸福な人?だって、自分が善意で言ったことを否定されれば、不愉快な気持ちになることがある。不愉快な気持ちになる確率はかなり高いと思う。
ほかの場面で、否定してきたやつを攻撃してやろうと思っても、不思議ではない。
けど、表面上は、「人に親切にすれば、幸福になる」という言葉は、生きているということになる。
けど、Bさんがゼットさんに敵意を覚えて、ゼットさんが失敗すれば、よろこぶような気持になるということを、否定することはできないと思う。思うだけだけどね……。まあ、ここら辺の『本音調査』はむずかしいところがある。