問題なのは「言ったことが現実化する」という命題が『偽』であることだ。そして、『偽』であるこの命題を『真』であると信じている人がいるということだ。信じている人がいるということだけなら、問題は小さいし少ない。けど、「言ったことが現実化する」ということが「正しいこと」として流通している。これは、問題だ。
ほんとうは、「できるできると言って努力することが大切だ」とか「できるできると言って気合を入れることが大切だ」とか「希望をもって努力することは大切だ」とかということ言いたい人が、言霊理論をひっぱりだしてきて、言霊理論と組み合わせて、「できるできると言って努力することが大切だ」とか「できるできると言って気合を入れることが大切だ」とか「希望をもって努力することは大切だ」とかということ言っている。
条件がちがう人がいる。条件に格差がある。そもそも、生まれの条件に格差がある。ある条件ではできることが、ある条件ではできないということがある。ところが、そういう条件を無視して、「言えば、言ったことが現実化する」「できれると言えばできる」と言ってしまう。条件がいい人が、条件が悪い人に「言えば、言ったことが現実化する」「できると言えばできる」と言うと、問題が発生する。言われたほうが、不愉快な気持になるのだ。言ったほうは、マウントしていい気分になっているかもしれないけど、言われたほうは、不愉快な気分になる。条件によって「できない」のに、条件を無視したやつが「できる」と言うのだ。こんなのは、ない。これだと、条件が極端に悪い人は、条件が中ぐらいの人や、条件がいい人に、屈辱的なことを言われて、不愉快な思いをすることになる。最悪、自殺に追い込まれる。条件が極端に悪い人と、条件が悪い人をくらべた場合、条件が悪い人は、条件が極端に悪い人にくらべて、優位だ。なので、条件が極端に悪い人は、条件が悪い人にも、屈辱的なことを言われるということになる。