「言ったことが、現実化する」という言葉とおなじように、「過去は現在に影響をあたえない」という言葉も、正しいこととして流通すると問題がしょうじる。
これ、言っているほうは、いい気分になるかもしれないけど、言われたほうは、いやな気分になることが多い。
どういう人が、どういうときに、いやな気分になるかというと、条件の悪い人が「過去は現在に影響をあたえない」と条件のいい人に、言われたときにいやな気分になるのである。
条件がいいというのは、「相対的な」ものだ。相対的に、条件が悪い人は、「過去は現在に影響をあたえない」という言葉を言われがちになる。
これは、条件がいいほうが、マウントをとるための言葉だからだ。
あるいは、おなじことだけど、これは、条件がいいほうが、説教をするときのための言葉だからだ。
「過去は現在に影響をあたえない」ということを命題としてとらえてみよう。
これは、『偽』だ。『真』じゃないのである。そして、人には「過去は現在に影響をあたえない」と言っているやつが、みんな、過去の影響をうけて生きている。ただ単に、現実を無視しているだけなのである。しかも、自分は無視しているつもりがないのだ。
「過去は現在に影響をあたえない」という命題が『真』であると、意識的には思っている。
けど、こいつらの行動は、すべて、過去の出来事に対応した行動だ。
本人は、言っていることと、まったくちがった行動をしているのに、ぜんぜん気がつかないというのは、なんなんだ?
「過去は現在に影響をあたえない」という命題が『真』であると考えているのに、こいつらは、常に、今現在、過去の出来事を参照して、生きているのである。まるでわかってないなぁ。