ヘビメタに毎日やられると、次の日の朝、憂鬱なのである。だいたい、ヘビメタにやられると、疲れ果てているのに、眠れない状態になる。この、疲れ果てているのに眠れない状態というのは、ヘビメタ騒音によってもたらされた状態なんだよ。自分はやられたことがないから「そんなのは関係がない」「鳴り終わったら関係がない」と言う。けっきょく、きちがい家族と一緒に住んだことがないので、きちがい家族が、どういうやり方で、どういう感覚で、「普通ではないこと」をやりきるのか、まったくわかってないのだ。やられたことがないから、ほんとうは、わかっていないだけなのである。けど、自分なら平気だと思っている人は、エイリだから気にする」「エイリだから影響を受けている」と、ごく自然に思ってしまう。けど、ちがうんだよね。実際にやられたらわかる。きちがい兄貴の態度でやられたら、朝、どれだけ憂鬱になるかわかる。そして、その憂鬱な状態で、気を取り直して生きてきたのである。その憂鬱な状態から這い上がって、学校に行っていたのである。そりゃ、きちがい家族による、激しい騒音がない人は、夜、眠れる。ぼくだって、きちがい兄貴がヘビメタをやる前は、そうだったんだよ。きちがい兄貴が、フォークギターを弾いているときは、夜、普通に眠れたんだよ。別に俺の能力の問題ではないのだ。しかし、「ヘビメタ騒音は関係がない」「鳴り終わったら関係がない」と思っている人は、俺の能力の問題にしてしまうのだ。自分は、能力があるから、鳴ってたって’影響を受けないで眠れるけど、エイリは能力がないから、眠れないのだと思ってしま。ぼくだって、ちゃんと眠れたのだ。気ちがいヘビメタが鳴り始めるまえは、ちゃんと眠れた。普通の人間なら、あの繰り返しを経験したら、眠れなくなるのである。自分がきらいな音を、自分がきらいな家族が、がんがん、「よそでは絶対に鳴らせないような」音のでかさで、鳴らしていれば、眠れなくなるのである。それが、普通の人間のあり方なのである。能力がある人だって……(普通の時間に)眠れる能力がある人だって、(普通の時間に)眠れなくなるのである。それが、わかっていないやつが、えらそうなことを言ってくる。「自分なら、そんなふうにならない」と思って、えらそうなことを、ガンガン言ってくる。こいつらは、夜郎自大なバカだか、こっちが説明すれば、腹を立ててしまう。言霊主義者が、言霊理論を否定されたときのような態度で、憤慨してしまう。じゃあ、どうして、こういうことになっているかというと、きちがい兄貴が「ブラックホール」だからだ。ほかの人からは見えないのである。ほかの人「考え」の中に入っていないのである。きちがい兄貴がやることは、異常なので、普通の「うち」に住んでいる人は、わからないのである。経験していないのである。普通の人は、きちがい家族が、きちがい的な意地でやることを、経験していないのである。だから、ほんとうに、わかっていないだけなのである。あれだけ、きらいな騒音が、つみかさなったら、どうなるかわかっていないだけなのである。あれだけ、爆音で、至近距離で、きらいな音が鳴り続けたら、そりゃ、(夜)眠れなくなる。眠れなくなるにきまっている。それが、人体をもった、普通の人間のあり方だ。普通の反応だ。普通の反応なのだけど、ようするに、きちがい兄貴のようなことをやる人が、その人の家族のなかにはいないから、経験していないだけなのだ。経験していないから、俺とおなじような状態になっていないだけなのだ。それを、まるで自分の能力のように思いやがって。こんなアホなやつらが、俺にえらそうなことを言いやがる。わかってないだけなのに、えらそうだな!
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