言霊理論が正しいなら、「いつか、夢がかなう」なんてことを言わなくていいわけ。「一秒後には、その夢がかなう」と言えば、一秒後には、その夢がかなっている。別に、「いつか」なんて言って、先のばしにする必要がない。
先のばしにしなければならないのは、言霊理論が正しくないからだ。
言霊理論が正しくないから、「一秒後には、夢がかなう」とは言わず、「いつか、夢がかなう」と言って、先のばしにする必要がでてくる。「いつか」「かなうだろう」と夢をもって生きていける。
けど、それは、言霊理論が正しくないということを、逆に証明してしまっている。「いつか、夢がかなう」と言い続ければ、いつかは、夢がかなう……。
これは、おかしい。
「一秒後には、夢がかなう」と言えば、一秒後には夢がかなうのだから、「一秒後には、夢がかなう」と言えばいい。その人は、無意識的なレベルでは、言霊理論が正しくないと思っているので「一秒後には、夢がかなう」とは言えないのだ。
無意識的には 「一〇〇%の言ったことが一〇〇%の確率で現実化する」……(2)という言霊理論が正しくないことを知っているので、「言ったことが、現実化することもあるし、現実化しないこともある」……(3)という意味で 「言ったことが現実化する」……(1)と言っているのだ。
「言ったことが、現実化することもあるし、現実化しないこともある」「だから、いつかは、かなうかもしれない」……こういう意味で「言ったことが現実化する」と言っているのだ。
ならば、 「一〇〇%の言ったことが一〇〇%の確率で現実化する」……(2)という意味での言霊理論は正しくないということを知っているということになる。無意識的なレベルでは、知っているのだ。だから、「一秒後」などの時間制限がある言葉は言わないようにしているのだ。