暗闇条件の種は、「日当たり良好だと思えば日当たり良好になる」「日当たり良好だと言えば、日当たり良好になる」というようなことを言われると、こまるのだ。どうしてかというと、どれだけそういうふうに思っても、暗闇条件がかわることがないからだ。どれだけ、そういうことを言っても暗闇箱条件がかわることがないからだ。生まれたときに、セットされている。生まれたときに暗闇条件がセットされているので、「思ったり」「言ったり」することで、その条件がかわるということがない。そして、時間とともに、差がひろがるのである。暗闇条件の種と、日当たり良好条件の種の格差がひろがる。時間というのは大切だ。そして、ある程度時間が経過して、差ができたあとに、「思えばいい」「言えばいい」と魔法的な解決法を提示されても、こまるのだ。暗闇条件をもたらす、箱が、まだ、頭上にある。そういう状態で「思えばいい」「言えばいい」と言われても、こまるのだ。どれだけ思ったって、思った通りにはならないし、どれだけ言ったって、言った通りにはならないからだ。けど、言霊主義者は、「言ったことが現実になる」と言い、思霊主義者は「思ったことが現実になる」と言うのだ。それから、時間の経過は全体に影響をあたえるので、たとえば、種が死ぬ一時間前に、暗闇をもたらす箱がなくなったとしても、意味はない。制限時間がある。過去なんて関係がないとは言えない。臨界期も制限時間もある。条件の無視、おなじことだけど、過去の無視というのは、好条件組がやることなのである。好条件組が、悪条件組の「条件」を無視したり、「過去を否定して過去の影響」を無視するのだ。そういうことが、普通に行われている。そして、「あまえだ」「負け犬だ」「泣き虫だ」「意気地なしだ」とののしる。「努力をすれば、こうなるのに、努力しないからダメなんだ」とダメだをして、いい気になる。アドラーがやっていることというのは、そういうことなんだぞ。