たとえば、AさんとBさんとCさんがいるとする。Aさんが、Bさんを包丁で刺した。Bさんは、Aさんにあったことはなく、BさんがAさんに、なにか悪いことをしたということはないとする。Cさんは、精神世界の人で、言霊理論、思霊理論、引き寄せ理論、自己責任論を信じているとする。はたして、Bさんが刺されたことは、Bさんの自己責任なのだろうか? もし、言霊理論が正しいならCさんが「この世で、暗い事件は一切合切起きない」とか「包丁で人を刺す人は、いなくなる」と言えば、それで、こういう事件は、起きなくなる。思霊理論でもおなじだ。Cさんが「この世で、暗いことは一切合切、起きない」と思えば、この世で、暗いことは、一切合切、起きないようになるのである。ならないのであれば、思霊理論がまちがっている。Cさんが自己責任を問うのであれば、Cさんの自己責任を問うべきなのである。自分が「この世で、暗い事件は一切合切、起きない」とBさんが刺されるまえに思わなかったから、Bさんが刺されてしまったと思い、思わなかったことの自己責任を追及するべきなのである。言霊理論が正しいなら、言霊理論を使って、この世のすべての不幸な事件をさけることができる。不幸な事件を発生させないようにできるのだ。どうして、発生させないようにできるのに、さぼって、発生させてしまっているのだ? Bさんが刺されたのは、Cさんの責任だ。……まあ、ほんとうは、Cさんの責任ではないけどね。けど、どうして、Cさんは、言霊理論は絶対に正しいと思っているのに、「この世で、暗い事件は一切合、切起きない」と言わないのか? 自分が「この世で、暗い事件は一切合切、起きない」と言ったあと、暗い事件が起こったら、どいうふうに考えるのか?