暗い事件についてだけど、暗い事件だと思うから暗い事件になるのだという理論がある。受け止め方理論だ。精神世界の人は、それなら、どうやって、「暗い事件が起きませんように」と願うのだ。暗い事件という言葉を使って、思考してしまっているではないか。そもそも、暗い事件が受け止め方次第で暗い事件にならないなら、暗い事件という言葉で、どういうことを表現しているのだ? どれだけ「受け止め方理論」をふりまわしても、日本語で考えている以上、考えている時点で、「暗い事件」という言葉がさししめしているものを、考えている人は知っている。はっきり言えば「すべては受け止め方の問題」ではないということだ。
日本語を使って想起しているのだから、想起している時点で「暗い事件」の内容は、抽象的にまっているのである。過去の出来事を総合的に考えて、「暗い事件」という言葉のイメージを「限定」しているのである。ようするに、固定して考えている。
このような意味でも、過去のできごとは、現在の思考と関係がある。「過去は関係がない」とは言えない。
だいたい、「すべては受け止め方の問題」なのであれば、言霊主義者は、どうやって、言葉の内容を決めるのだ?