ヘビメタ騒音でできなくなっているのだから、「人にどう思われたっていい」ということにはならないのである。
ヘビメタ騒音で……できなくなっているんだぞ。
ヘビメタ騒音がなければ……できることなんだぞ。
ヘビメタ騒音でできなくなっているから、他人と、トラブルがしょうじるんだぞ。
ヘビメタ騒音できなくなっているのだから、そこから発生する問題について「人にどう思われたってかまわない」ということにはならない。
主義主張で、「人にどう思われてもいい」と思っているわけではないんだぞ。
ヘビメタ騒音でどうしても、勉強ができないなら、俺がこまるのである。ヘビメタ騒音でどうしても、遅刻をしてしまうなら、俺がこまるのである。どうだっていいことじゃない。
人が、「こいつはだらしないから、遅刻する」と思っていいわけがない。人が、「こいつは、勉強がそれほどできない」と思っても、いいわけじゃない。
ヘビメタ騒音で、ほんとうに、宿題ができなくなる。
宿題をやってこいという要求がある。こんな要求、ほんとうに、ヘビメタ騒音がなければ、いくらだって、こたえることができる要求なんだよ。
けど、ヘビメタ騒音が鳴っているから、どうしても、どうしても、どうしても、できなくなるんだよ。ヘビメタ騒音が鳴っている最中、どうしても、どうしても、どれだけがんばっても、宿題をやり遂げることができないんだよ。
問題だろ。
それから、ほかの人たちは、ヘビメタ騒音を浴びたあと、どういう状態になるかわかってないので、ヘビメタ騒音が鳴りやんだあとも、ヘビメタ騒音でつかれはてている状態だから、宿題ができないと言っても認めない。
これだって、不名誉なことなんだよ。
ほかの人が、ぼくのことについて誤解をしているんだよ。こいつらの前提は、「ヘビメタ騒音が鳴り終わったら、宿題ができるはずだ」ということなんだよ。
ところが、午後四時から、午後一一時一〇分までヘビメタ騒音が続くと、鳴り終わったあとも、宿題をすることができない状態になる。毎日続くと、そうなるんだよ。こいつらが実際に、自分がこの世で一番嫌いな音を、毎日毎日、何時間も何時間も、聞かされることがなかったから、わかっていないだけの話なんだよ。
あの至近距離で、あのめちゃくちゃな音をガンガン聞かされ続けて、いいわけがない。そんなのが、七時間近く続いて、いいわけがない。そんなのが、一三時間以上続いて、いいわけがない。
日曜、祭日、きちがい兄貴が、休みで家にいる日は、一三時間以上、さらされ続けることになる。日曜日が休みにならないのである。
日曜日はしずかだから、平日、ヘビメタ騒音のせいで、できなかった勉強の遅れを取り戻すということもできないのである。
「ヘビメタ騒音で、できなくなった」と俺が説明したあと、「人がどう思うかなんて気にしなくていい」と言ったやつが、リアル世界にいる。いた。
そいつは、どれだけ、俺が……そいつのその言葉を聞いて、くやしい思いをするか、まるでわかってない。こいつらは、誤解をしている。
だいたい、そいつらにしたって、俺が二十歳をこえて、無職なら、「無職野郎」と思うわけなんだよ。そいつらが、そうやって、俺のことをバカにする。
それで、「人の評価なんて気にしなくていい」「人がどう思うかなんて気にしなくていい」と言う。
そいつが、「無職に対する偏見」をもっていて、「なんだろうが、無職はダメなやつだ」と思って、無職属性がある俺のことをバカにしたとする。そいつの意見では、そいつが「無職であるエイリ」のことをバカにしたって、あたりまえだと思っているんだよ。そいつにとって、無職なやつはだめだというのは、あたりまえのことだからだ。
こんな、きちがい野郎。こんな、バカ野郎。
ほんとうに思考力が低すぎる。ほんとうに理解力が低すぎる。きちがい野郎だ。
いいわけがないだろ。これも、こいつらにしてみれば、鳴り終われば、ヘビメタ騒音は関係がないということになっているので、鳴り終わったら、(それは)エイリが無職でいる理由にはならないと思っているのだ。
こんなの、ない。
きちがい兄貴が、きちがいヘビメタを、ほかの人がわからないレベルで、夢中になって、でかい音で鳴らすから、こうやって、俺が恥をかくことになる。