あーーあ。あの子(A子)と付き合えばよかったなぁ。ヘビメタ騒音なしで生きたかった。きちがい兄貴が、ヘビメタに凝ったから、ぼくの人生はない。きちがい兄貴が、ヘビメタに凝らない人生だってあったかもしれない。きちがい兄貴が、たまたま、ヘビメタという音楽分野に興味を持ったから、ぼくの人生は……。ぼくの人生はこなごなになった。これ、どれだけの影響があるか、ぼく以外の人にはわからない。まったく、わからないのだろう。あれが、どれだけ毎日に影響を与えたか、ほかの人はぜんぜんわかっていない。やられていないから、わかっていない。やられていないから、「わかっていないだけ」なのに、えらそうなのだ。「自分は影響を受けない」と思っている。ヘビメタが好きな人は、そう思うのかもしれない。けど、別にヘビメタが好きな人ではなくても、そう思っているみたいだ。そんなわけない。そんなことが起こるわけがない。ヘビメタではなくても、自分の苦手な音が、あの至近距離で、あの音のでかさで、一日に何時間も何時間も鳴っていたら、影響を受ける。不可避的に影響を受ける。