きちがい兄貴も、きちがい親父も、俺が孤立するように……孤立するようにと……きちがい感覚で、きちがい行為をする。……きちがい感覚で、きちがい行為をし続けた。どれだけ言っても、やめてくれなかった。
しかも、きちがい感覚で、なにもしていないつもりなのである。まったくなにもしていないという認知・認識なのである。その陰で、俺がどれだけ、こまったか。
きちがい兄貴に、勉強することを邪魔されて、ほんとうにこまったよ。
これも、孤立する原因のひとつだ。
勉強云々と言っているときは、勉強にフォーカスがあっているので、勉強のことだけになってしまうけど、勉強を邪魔しているあいだだって、勉強を邪魔しているだけではないのだ。
体力と精神力を削っている。
きちがい兄貴ではない『他人』なら、絶対にわかることが、きちがい兄貴にはわからないのだ。この、わからなさ……が、病的なのだ。
でっ、よその人は、この病的なわからなさが、わからないのである。だから、俺がはさまれることになる。そういうことの繰り返しで、いいわけがない。精神が、すさまないはずがない。
精神が、ボロボロにされる。
体も精神もボロボロにされた。
けど、「なにかをしたことになっていない(なにもしなかったことになっている)」のである。きちがい兄貴は、まったくなにもやったつもりがないからな。
どれだけ、言われたって、俺が騒音でこまっているというとを、きちがい親父のように、認めない。きちがい兄貴が、きちがい親父のように、認めない。自分がやっていることで、弟がこまっているということを、おかしな頭の構造を使って、認めない。
この「認めない」というのも、へんなんだよ。
普通の人が「認めない」ときの、「認めない」方法で認めないわけではないのだ。兄貴は、普通の人が「認めない」方法で、「認めない」わけではない。
最初から、どれだけ言われても、わからないままなのだ。
これがおかしいのだけど、きちがい兄貴は、そうなっている。きちがい親父もおなじ構造をもっている。ヘビメタ騒音を全身全霊でやりきって……やりきったのに、やりきったということを、まったく認めない。当然、自分が鳴らすヘビメタ騒音で、弟がこまっているということは、命がけで、認めない。全身全霊で、認めない。認めない。
何度も言うけど、「この、認めない」というのが、おかしいのだ。普通の人の「認めない」状態じゃない。ぜんぜん、ちがう。兄貴が規格外なのだ。
そうなると、ぼくが、へんな人のように、思われるのである。普通の人が、兄貴のへんな認めなさを、認めないので、ぼくが、へんな風にうたがわれるのである。
しかも、うたがっているほうは、「エイリの兄貴」のへんな認めなさを認めていないという認識がないのだ。
ようするに、一般人……普通の人は、兄貴がへんな人だということがわかっていない。
普通の人は、兄貴の態度がわかっていない。普通の人は、兄貴の脳みそのしくみがわかっていない。普通の人は、兄貴の、感覚がわかっていない。
* * *
きちがいヘビメタにたたられていると、どれだけ誠実に努力しても、だめなのだ。
それから、いまもそうなんだけど……まさしく、いまもそうなんだけど……日時を決められると、眠れない状態になる。
これが、地獄なのだ。けど、これ、きちがいヘビメタが、午後四時から鳴っていて、数時間、ヘビメタ騒音にずっとさらされると、眠れなくなる。誠実な性格でも、遅刻するようになる。
けど、遅刻をしたら、「ヘビメタ騒音で眠れなかった」と言っても、ほかのやつは「そんなのはいいわけだ」と言うわけだ。
そして、「お兄さんにちゃんと言えば、お兄さんはしずかにしてくれるはずだ」という前提で「お兄さんに言えばいい」と言ってくる。
これだって、地獄だ。
誠実だから、時間に遅れてはいけないと思って、緊張度が増すのである。
そうすると、ただでも眠れないのに、余計に眠れなくなるのである。きちがいヘビメタがなければ、こういう不安が、そもそも生じないのである。
実際に、きちがいヘビメタがなかったときは、こういう不安がなかったのである。だから、ヘビメタ騒音が鳴っているから、そういう不安が生じるようになったのである。
そして、この「時間に遅れないようしなければならない」という意識と、きちがいヘビメタ騒音にたたられているときの体の状態の相性が悪いのである。
この「時間に遅れないようしなければならない」という意識と、きちがいヘビメタ騒音にたたられたあとの体の状態の相性が最悪なのである。
どれだけ、睡眠回路がくずれるか、ほかの人はぜんぜんわかっていない。
どれだけ、不安な気持ちになるか、ほかの人は、ぜんぜんわかっていない。
ともかく、きちがいヘビメタ騒音が鳴らなかった場合の人生をかえしてくれ。
ともかく、きちがいヘビメタ騒音が鳴らなかった場合の人間関係をかえしてくれ。
きちがい兄貴よ。ともかく、きちがいヘビメタ騒音が鳴らなかった場合の人生をかえしてくれ!!
けっきょく、親友のとの関係も、友達との関係も、ヘビメタ騒音が破壊した。これ、他人だから……親友や友達は他人だから……実際にぼくとおなじ生活をした人たちじゃないから……やっぱり、わからないのである。
わからない。
まあ、きちがいヘビメタ騒音に、六年間、毎日やられた時点で、ぼくの人生は終了している。あがいて生きてきたけど、それは、興奮と緊張を強いるものだった。
これ、興奮と緊張が、鬱感情を育てる。これ、興奮と緊張が、睡眠回路を破壊する。
誠実でなくても、きちがい騒音によって、睡眠回路は破壊されるけど……。
……これ、ほんとうに、ほかの人には、「全過程」がぜんぜんわからないんだよな。
わからない。
他人は、別の個体だから、実際にぼくの身の上に起こったことがわからない。ぼくとは別の個体だから、ぼくが経験したことがわからない。
経験がないことだからわからない。 こいつらにとっては「そんなのは関係がない」と言えてしまうことなんだよ。やられてないから、言えるだけなんだけど、言えてしまう。
これが、どれだけくやしいことか、こいつらは、わかっていない。ぼくにとって、どれだけくやしいことか、こいつらはわかっていない。
そいつらが、くちをそろえて「自分だって苦労した」「自分だってつらい思いをした」と言う。
ぜんぜん、わかっていないのである。
* * *
ともかく、「そんなのは関係がない」と言うやつと、きちがい兄貴の無理解ぶりは、似たようなところがある。ヘビメタ騒音の影響を認めないということにおいては、こいつらときちがい兄貴でおなじなのである。
もちろん、こいつらは、張本人ではない。騒音の張本人ではない。
実際に、鳴らした人物ではない。
だから、ぜんぜんちがう。
きちがい兄貴とは、ぜんぜんちがう。きちがい兄貴とは、その点では、似ていない。
しかし、「ヘビメタ騒音の影響を無視する」という点においては、おなじなのである。