おなかは、まだ、なおりそうもないのだけど、喉のほうが気になる。やっぱり、ネズミの糞を除去しているときに、蚊取り線香を炊くんじゃなかった。
そして、何回もあたためなおした大根のおじやを食べるんじゃなかった。
煙と食中毒の菌で、ものすごいことになった。あれ、救急車を呼んだほうがよかったのかな。いろいろと、格好悪いところがあり、呼ぶ気になれなかった。だいたい、ネズミの糞がある家だしなぁ。
ともかく、喉がかわく。
これは、おかしい。胸もなんか、おかしい。これ、全部、不安の身体的な症状なのか?
けど、それでも、医者に行きたくないんだよな。歯医者でも相当にショックだったからな。だいたい、ヘビメタ騒音がはじまってから、ピンチなんだよ。
だれもわかってくれないけど、自殺したくなるような切羽詰まったピンチが続いた。
けど、自殺するわけにはいかないので、なんとか、持ちこたえという感じなんだよな。
そのあいだも、原因である騒音がずっと鳴っていた。
ピンチだということを、まったく認めずに、きちがい兄貴が、爆音で鳴らし続けた。これ、どれだけくるしいことか、ほかの人たちはわかっていない。眠れると思っているんだよな。鳴り終わったら関係がないと思っているんだよな。
普通に勉強することができると思っているんだよな。そんなこと、あるわけがないだろ。
入学試験のことだって、入学試験前日に眠れなかったということを言えば、「だれだって、試験日前日は緊張する」とか言うやつがいた。別のやつは「びびってんじゃねぇーよ」と言う。けど、ちがうんだよね。
ぼくは、きちがいヘビメタ騒音に試験日の三年と半年前からずっと、勉強の邪魔をされてたんだよね。ぼくは、兄貴に試験日の三年と半年前からずっと、勉強の邪魔をされてたんだよね。ぼくは、兄貴に試験日の三年と半年前からずっと、夜眠れない状態で暮らしてきたんだよな。
その集大成なんだよね。
そして、試験日前日だというのに、きちがい兄貴が、普通の調子でずっと鳴らした。一分間もゆずってくれなかった。そういう日なんだよ。どれだけ、こころがぶっ壊れているか。
三年と半年間、睡眠不足で暮らしてきた。一日に2時間、3時間しか眠れない状態で暮らしてきた。それがどういうことなのか、わかっていない。
どれだけの頑張りで、自分の学生生活を維持してきたか……。ぜんぜんわかっていない。「元気だ元気だと言えば元気になる」「眠れると言えば眠れる」「こだわるからいけない」「気にするからいけない」……こんなことを、耐えている状態で、言われなければならない。
言っているやつらは、きちがい騒音を経験していない。
言っているやつらの横には、自分がこまることを、きちがい的な意地で何時間も何時間も何時間も何時間も何時間も何時間も何時間も何時間もやり続ける、家族がいない。
そういう家族と一緒に暮らしているわけではないのだ。
そして、きちがい兄貴が、ほんとうに、ぼくに迷惑をかけていなつもりなんだよな。だけど、自分が思った通りの音で、自分が思った折の時間の長さ、鳴らさないと、気がすまない状態なんだよ。
俺がどれだけ「こまる」と言ったって、きちがい兄貴がはねのけて、やってしまう。
そして、ほんとうに、まったく、やったつもりがないのである。これが、異常だから……異常すぎて、みんなわかっていない。
こともあろうに、きちがい兄貴自身が、一番わかっていないのだ。きちがい兄貴自身が、ほかの人たちよりもずっとわかっていない状態なのだ。そういう状態で、頑固に、爆音で鳴らすことこだわり続けて、爆音で鳴らし続ける。
普通の人だったら、爆音で鳴らしているということがわかるのに、きちがい兄貴の感覚だと、まったくわからないのだ。ちがい兄貴の頭のなかでは、都合が悪いことは全部削除されてしまう。自分は普通の音で鳴らていると思っている。
そして、弟は自分の音でまったく困っていないということになっているのだ。
きちがい兄貴の頭のなかではそうなんだよ。どれだけ言ったって、そのままなんだよ。きちがい兄貴が、そのままの状態で、やりきる。