ほんとうに、ずっと「やめろ」「やめろ」「やめろ」と言っていたのに、ずっとやられたんだよな。
ずっと、鳴っていた。ものすごい音で鳴っていた。
ほかのうちでは鳴っていないような、ものすごい音で鳴っていた。
「やめろ」というのは、兄貴の部屋まで行って、兄貴に向かって言ったのだ。
ぼくが、自分の部屋で言ってたわけではない。「言えば、言ったことが現実化する」のであれば、苦労はないよ。その理論は、ぼくをずっと裏切ってきた。
言霊主義者が、言霊は正しいと思っている根拠というのは、「雨がふると言ったら雨がふった」とか「元気だ元気だと言ったら、元気になった」とか、そういうレベルのことだ。
どっちも誤解なのである。
たとえばの話だけど、きちがい家族と一緒に住んでいるぼくのような人は、きちがい家族の行動によって、こまっているんだよ。言うだけで、きちがい家族の行動をかえられたら、こんないいことはない。けど、それができないのである。
どうしてかというと、言霊なんてないからだ。
きちがい家族が、きちがい家族の脳みそをもっていて、その脳みそが、きちがい行動を、熱心に、しつこくやることを要求しているからだ。
その要求通りに、きちがい家族の体が動く。
そうなると、自動的に、「こっち」が被害を受けるのだ。
問題は深刻なんだよ。
それを、「言えば言ったことが現実化する」と言って、無理なことを押しつけてくるやつはなんなんだ。そういうやつらは、みんな……ぼくの経験の範囲で言うと……みんな……「言い方が悪いからダメなんだ」と言ってくる。
これも、ひどい話だぞ。
ところが、兄貴とおなじように、言霊主義者は、「ひどい話だ」とは思っていないのである。「言霊は絶対だ」「言霊は正しい」と言ってゆずらない。
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『信念』と言えば、格好いいけど、『妄想的な信念』は、やっかいなんだよ!!!