「言えば、言ったことが、現実化する」という言い方がある。「言ったこと」と言っている。ようするに、言ったという過去の出来事が、現在に影響をあたえ、言った内容が、現在において、現実化すると言っているのである。
言霊主義者はそう考えているわけだから、言霊主義者が「過去は関係がない」「過去は記憶の中にしかない」と言うのはおかしなことなのである。
「言ったこと」が現実化されると言っているだろ。
もっとも、「言えば、言ったことが現実化する」という命題は偽なので、そもそも、相手にする必要がないのだけど、言霊主義者で 「過去は記憶の中にしかない」と言っている人は、自分自身が言っていることの矛盾に気がついたほうがいいぞ。
「過去は記憶の中にしかない」と言っている人であって、なおかつ、「言ったことが現実化する」と言っている人は、自身の矛盾に気がついたほうがいい。
「言ったこと」って過去のことだろ。「言った」と過去形で言っているだろ。
「言った」ことが「現実化する」のだから、もちろん、過去の発言が、現在に影響をあたえるということを言っているんだよ。過去において「言った」ことが、現在において(あるいは、未来において)現実化すると言っているわけだろ。
現実化するのは、過去に言った内容なんだよ。
だったら、過去の影響をうけているどころの話ではないぞ。「言ったことが現実化する」ということは、「言わなかったことは現実化しない」ということになる。
もしかりに「言ったことは現実化するし、言わなかったことも現実化する」という意味で「言ったことが現実化する」と言うのであれば、「言ったことが現実化すると言う意味がない」のである。
過去に言ったことだけが、現実化するのであれば、今現在成り立っているものは、すべて、過去において言われたことだということになる。「言ったことが現実化する」と言っているのだから、「過去は記憶の中にしかない」と言うのは、矛盾している。
こいつらは、ほんとうに、自分が主張している内容をよく考えたことがあるのか?
自分が主張している内容同士が、矛盾していたら、こまるだろ。