条件が悪い人というのは、悪い条件を抱えている。ライフハックを口にする人たちよりも、悪い条件を抱えている。これは、明らかなことだ。ライフハックを口にする人たちも、「自分だって苦労した」「自分だってつらい思いをした」ということを、言う。そして、本気で言っている。嘘を言っているつもりなんてないのだ。だから、その発言をしているとき、条件が悪い人と自分の「苦労」はだいたい、おなじじレベルのものだと、仮定して発言しているのである。ところが、ちがうのだ。とくに、特殊な悪い条件を抱えている人たちは、まったく、理解されない。そして、その特殊な悪い条件というのが、家族にかかわる特殊な悪い条件だと、何段階も深いレベルで、まったく理解されない。そして、たとえば、完全な人間なんていない。完全な人間なんていないのだから、だれだって、それこそ、自分の家族に不満を持っている。だったら、特殊な家族と、普通の家族の間には、ちがいがないのかというと、あきらかに、あるのである。けど、これまた、普通の家族と一緒に暮らしている人は、そのちがいを絶対に認めないのだ。とうしてかいうと、わからないからだ。比較対象がないのである。そして、実際に、きちがい家族と暮らしたことがないので、ほんとうの意味がわからない。「ほんとうの意味」はでかい。でかい。でかいんだよ。
ともかく、ライフハックを口にする人たちというのは、相手の悪い条件を無視している。最初から無視しているのだ。しかし、無視しているということが、わからない。「条件なんて関係がない」ということになっているからだ。「どれだけなんとかでも、なんとかだ」というわけだ。「どれだけつかれていたって、元気だ元気だと言えば元気になる」というようなことを言うわけ。「自分だってつらいときはある」「自分だって眠れなときはある」「自分だって疲れているときはある」とあわせて、言うわけ。けど、意味合いがちがうんだよね。意味合いがちがう。ちがいすぎる。けど、ライフハックを口にしている人たちというは、ちがいを認めない。
* * *
ライフハックをはやらせた人がいたとする。まあ、人たちがいたとする。その人たちの真意はどこら辺にあるかというと、まず、バカな人たちを使って、条件が悪い人に圧力を加えさせるということが考えられる。