これ、俺がどれだけ、ヘビメタ騒音が鳴っているときのつらさや、ヘビメタ騒音生活のつらさについて説明しても、他人は、わからないのだよ。わかるわけがない。
実際にやられないとわからない。
だから、やられたことがない人の視点で「そんなのは関係がない」「そんなのは影響がない」と言うわけ。言っているやつらには、悪気がない。まったく悪気がない。
けど、これ、俺から見ると、ケンカを売られているようなものなのだよ。きちがい兄貴が、きちがいだから、ものすごく、こまったことになる。そして、きちがい兄貴が鳴らしていた音が、ヘビメタという音楽分野なので、ヘビメタという音楽分野が好きな人にとってみれば、ぼくが言っていることが、邪魔なのである。
けど、きちがい兄貴の友達だって、ヘビメタが好きだけど、「こんな音で鳴らしたことがない」と言うほど、きちがい兄貴の音はでかかったのである。
事実、でかかったんだよ。
ヘビメタを自分のうちで聞く人の視点から見ても、きちがい兄貴のヘビメタは、でかかったんだよ。これが、まず重要だ。これ、俺が、妄想系の精神病患者で、嘘を言っていると思っているやつらがいるのだ。
そいつらの根拠は、「そんな音で鳴らしていたら、絶対に、ほかの家族が文句を言う」「そんな音で鳴らせるはずがない」というものだ。ぼくの部屋は、きちがい兄貴の部屋のすぐ横なんだよ。ぼくがいる部屋の床板は、きちがい兄貴いる部屋の床板と、つながっているんだよ。
その上に、畳が置いてあるだけだ。
よそのうちで、どのくらいの音で、きちがい兄貴のヘビメタ騒音が聞こえていたのか知らないけど、ぼくの部屋では、普通の生活ではありえない音でずっと鳴ってたんだよ。
よその人だって、文句を言いたかったんだよ。
けど、そんなには言わなかった。
よその人が、兄貴の部屋まで行って、兄貴に直接文句を言ったことはない。けど、言いたかったんだよ。それはわかっている。親父が文句を言われたことがあるけど「人の息子が鳴らしているのに、なんだ!!」と怒ってしまったのである。
こんなの、本当にあり得ないことなのだけど、うちではあり得ることなんだよ。ともかく、俺が妄想系の精神病患者で、「ない」ことを、「あるように言っている」と思っているやつらは、誤解をしている。
そいつらが間違っている。
そして、そういうやつらが、そう思ってしまうのも無理がないのだ。
けど、それは、もちろん、ぼくの側の問題じゃない。きちがい兄貴の問題だ。きちがい兄貴の「無意識の問題」だ。「の」の重複をおそれずに書くとそういうことになる。
ともかく、「きちがい兄貴の脳みそ」の問題なのだ。俺の脳みその問題じゃないんだよ。それから、きちがい兄貴が、たいして大きな音で鳴らしていなかったのだけど、大きな音で鳴らしているように……ぼくが敏感だから……大きな音で鳴らしているように、説明していると思っている人もいるのだけど、それもちがうのだ。
そりゃ、十数年間も毎日、きちがいがきちがい的な音で鳴らし続けて、人生が台無しになったら、ヘビメタ騒音に似た音に敏感になるだろ。
どうしてなら、ヘビメタ騒音の連続で、まさしく、人生が台無しになったからだ。
ヘビメタ騒音がなければ、つかむことができた「しあわせな体験」を、まったく、つかむことができなくなってしまったからだ。そりゃ、こだわりが生じて当たり前なのだ。
だいたい、本当に、でかい音で鳴っていたのに……エイリさんが騒音に敏感だから、大きな音で鳴っていたと説明しているだけなんだ……と思われること自体が、不愉快なことなんだよ。
どうしてかと言うと、実際に、でかい音で鳴っていたからだ。普通の人が、めちゃくちゃにでかいと思うような音で鳴っていたからだ。