片づけをしていたら……足を……たぶん……ダニに刺された。太もものところだ。たぶん、平積みしてある本の、ほこりをちり紙でふいたときに、刺されたんじゃないかなぁ。落ち込む。刺されたくなかった。ほこりは、やばい。
あとは、歯医者の予約をしなければならないのだけど、そんな気になれない。長期ヘビメタ騒音のことで、腹がたったり、落ち込んだりしている。
ダニよりも、長期ヘビメタ騒音のことが気になる。
長期騒音から派生した、人との会話が、気になる。これ、ほんとうに、ずっとずっとずっと、いやな思いをしてきたんだよな。
そりゃ、他人にはわからない。
他人には、うちの兄貴のようなきちがい的な家族がいない。
兄貴も兄貴で、ほんとうに、「す」のまま、そうなんだよ。「す」のまま、相手がこまっていると言うことが、まったく、わからない人なんだよな。自分がやっていることで、相手がこまっているということは、「す」のまま、無視してしまう。
これ、どれだけ言っても、無駄なのである。よその人は、よその人で、「どれだけ言っても無駄な人がいる」と思っていないのである。
よその人は、言えば、言っただけのことは……伝わると思っているのである。
だから、もし、伝わらないのだとしたら、エイリの言い方が悪いということになってしまうのである。
エイリの兄貴が、そういうところでは、普通の人がまったく想像できないほど「ぬけぬけだ」ということが、よその人にはわからない。
その、きちがい兄貴の特性が、どれだけの問題を引き起こすか、よその人は、まったくわからない。
どうしてかというと、よその人は、きちがい兄貴のような人間と一緒に住んでいないからだ。あるいは、住んだことがないからだ。
どれだけこまるか、まったくわかっていない。